琉球王朝時代の子供衣装

2023/08/07

こんにちは。

金城昌太郎びんがた工房
広報担当の金城(息子)です。

金城昌太郎びんがた工房では
琉球紅型職人である父が原点し
その美しさを追い求め続けた
琉球王朝時代の紅型を
毎月1回、ご紹介しております。

今月は、

子どもの晴れ着衣装

です。

1.黄色地松皮菱藤菊流水菖蒲文様木綿衣装

最初は、紅型らしい作品をご紹介

黄色地に「藤」「菖蒲」文様

琉球紅型がお好きな方であれば
どこかで一度は、見た事があるのではないでしょうか。

常識的に考えると
黄色地にこれだけの鮮やかな配色をしたら
ド派手で下品になりそうな所を
上品に仕上げている所に
琉球紅型らしさ
そして、当時の職人達の表現力の高さを感じるのは
私だけでしょうか。

2.白地松竹梅鶴麻葉文様木綿紅型衣装

琉球紅型らしい鮮やかな色彩を感じさせられます。

そして、注目して頂きたいのが
使用されている「柄」です。

「松竹梅」模様の

「松」は
神が宿る木とも呼ばれ、
一年中枯れることなく緑色な事から
「不老長寿」

「竹」は
節目があり、
まっすぐ伸びることから
「成長」

「梅」は
寒い中でも花を咲かせることから
「強さ」

それぞれを表している事から

松竹梅模様には、

「辛い時期を耐え忍び
努力を続ければ、
いつか美しい花が咲き誇る」

と言う願いが
込められているそうです。

子供衣装にこの柄が用いられていると言う事は
そのような願いが込められているのでは・・・と感じてしまうのは
私だけでしょうか。

2.稲妻鶴亀松竹梅文様木綿紅型衣装

こちらは、先程の松竹梅の他に
「稲妻文様」と「鶴亀文様」も描かれております。

稲妻文様と言えば
困難を切り裂き、
真っ直ぐ成長して欲しい。

鶴亀文様と言えば
鶴は千年、
亀は万年、
生きると言われており
「長寿」と「繁栄」のシンボルで
とても縁起の良い柄になっております。

そして、柄と一緒に見て頂きたいのが
地の薄い水色です。

父いわく、
藍染めで、この薄い水色を表現する事は
とても難しく、
琉球王朝時代の水色を見る度に
当時の職人の技術力の高さを感じると言っておりました。

いかがでしたでしょうか。

このように柄に込められた「意味」と「背景」まで知ると
琉球紅型の奥深さを感じれれるのではないでしょうか。

本日も最後まで
お読み頂きまして
誠にありがとうございます。

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