このページを訪れてくださったということは、
きっと画面越しに、この帯から

「これまでの紅型とは何かが違う」

という雰囲気を感じ取ってくださったからではないでしょうか。

それは、あなたがこれまで数多くの本物の紅型に触れ、実際に身にまとってこられたからこそ届いた、確かな直感なのだと思います。

その特別な佇まいの正体は、一人の紅型師の人生そのものが宿っているからです。

原点となった
「いじゅの花」

今回ご紹介する帯に描かれているのは、沖縄の初夏を告げる「いじゅの花」。

実はこの図案は、紅型師・金城昌太郎が10年の修行を経て27歳で独立した際、一番最初にやんばる(沖縄県北部)でスケッチした、原点ともいえる特別な花です。

独立から60年が経った今でも、毎年6月になるとやんばるへと足を運びます。

純白の花と向き合い、スケッチブックに筆を走らせるたび、

「今も、創作活動を頑張っていますか?」

と花から静かに問いかけられている気がして身が引き締まるのだと、工房を訪れた方に話していました。

地色のブルーグレーに
込めた想い

金城昌太郎の作品を象徴するのが、どこまでも澄んだ「ブルーグレー」の地色です。

かつて工房を訪れたお客様から

「なぜ、この色なのですか?」

と尋ねられた際、金城昌太郎はこう答えました。

「私も人並みに苦労して生きてきました。だからこそ、残された人生は、青空のように晴れやかな日であってほしい。」

この帯の地色には、金城昌太郎の想いと、お召頂く方の人生への静かな祝福が込められています。

地色のブルーグレーについて金城昌太郎(本人)が語る動画(約30秒)

なぜ、これまで出会うことがなかったのか

今回、この作品で金城昌太郎の名を初めて耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。
金城昌太郎は、沖縄にわずか7人しかいない「沖縄県指定無形文化財技能保持者」の1人です。

それほどの技術と独特な表現力を持ちながら、なぜ展示会や百貨店で見かける機会がほとんどなかったのか。
そこには、若き日に定めたひとつの信念がありました。

沖縄らしい紅型を創るには
沖縄の自然をスケッチしないといけない。

紅型職人として独立した際にそのように決意し

「貧しくても良いから自分の美学を貫こう!」と決意し、

一般のお客様だけでなく
問屋様、小売店様からの注文を一切受けず
自分が創りたい作品だけを創り、気に入ったお客様だけに販売すると言うスタイルを60年以上経った今でも、一貫して貫き通しています。

だからこそ、これまで市場でお目にかかる機会がなかったのです。

87歳の指先が生んだ
純度100%の作品

この正絹の名古屋帯は、図案、型彫り、糊置き、色挿し、隈取り、そして蒸し作業に至るまで、弟子の手すら一切借りず、87歳の金城昌太郎がたった1人で全工程をやり抜いて染め上げました。

ひとつの妥協も混ざらない、作家の魂の純度が詰まった、世界に二つとない完全な一点物です。

金城昌太郎の制作風景は、下記のインスタグラムより
https://www.instagram.com/kinjobingata_factory/

あなたが長年大切に慈しんでこられたお着物の上に、この澄んだブルーグレーと凛とした花を乗せてみてください。
袖を通したとき、あなたの佇まいがより一層美しく、晴れやかに輝くことを願っております。

 

ここまでご覧いただき、「実際の色を自分の目で見てみたい」と感じていただけましたら、ご購入を決める前に実物をご覧いただくこともできます。

ご自宅で3日間、作品をゆっくりとご覧ください。

最後に

私は、紅型職人の家に一人息子として生まれました。

父は、紅型職人・金城昌太郎。

幼い頃から、父が仕事をする姿をずっと見てきました。

けれど私は、父が何よりも大切にしていた「絵を描くこと」が、どうしても好きになれませんでした。

だから私は、父と同じ紅型職人になる道を選ぶことができませんでした。

そんな私の考えが変わったのは、28歳の頃です。

世界各国を巡り、さまざまな文化やものづくりに触れる中で、少しずつ父の仕事の尊さに気づくようになりました。

そして仕事を通じて、多くの職人の方々と出会いました。

その方々から、

「お父さんは、本当にすごい職人だよ」

と何度も聞かされました。

不思議なものです。

子どもの頃から当たり前のように見ていた父の凄さを、私は大人になってから、周りの人たちに教えてもらいました。

そして、ある時。

父が制作した着物を改めてじっくりと見る機会がありました。

その時、私は初めて、

「父は、本当に自分が信じた生き方を貫いてきたんだ」

と感じました。

父は、流行に合わせて作品を作る人ではありません。

売れるからという理由で、図案を描く人でもありません。

自分の目で沖縄の自然を見て、
自分が「美しい」と感じたものをスケッチし、
それを紅型という形にしてきました。

何十年もの間、ただひたすらに。

その姿勢は、今も変わっていません。

今年11月、父は87歳になります。
今も現役の紅型職人として、創作活動を続けています。

ただ、当然ながら、若い頃と同じ本数を制作することはできなくなりました。

今年制作した帯は、9月末の時点でわずか5本です。

そして今回、私がご紹介している一本は、
父の原点です。

決して、誰もが気軽に購入できる金額ではありません。

父と同じクラスの紅型職人の帯でも、この作品よりお安く販売されているものがあります。

若い職人の作品であれば、20万円前後から購入することもできます。

相場に合わせた価格にする。

私は、それをしたくありませんでした。

87歳になろうとしている一人の職人が、長い年月をかけて磨き続けてきた技術。

沖縄の自然を見つめ続けてきた感性。

そのすべてが込められた、世界に一本しか存在しない帯です。

もちろん、

「父の作品だからご購入頂きたい」

とは思っていません。

私の想いだけで、選んでいただきたいとも思っていません。

私が探しているのは、

この帯を見た瞬間に、

「美しい」

と感じてくださる方です。

私は、父の帯は飾って眺めるだけではなく、
着物と合わせて実際にお召しいただいた時に、本当の意味で完成すると思っています。

もしこの帯をお迎えいただけるなら、
ぜひ、あなたがお持ちになっている一番美しい着物と合わせてください。

そして、この世界に一本しかない紅型を纏っていただきたいのです。

私は職人にはなれませんでした。

父のように、紅型を染めることもできません。

だからこそ、
父が人生をかけて生み出した作品を、
心から美しいと思ってくださる方へ届ける。

それが、職人にならなかった息子である私にできる仕事だと思っています。

おそらく、この帯をインターネットの写真だけで購入することに、不安を感じるのは当然だと思います。

色。

染め。

生地の質感。

そして、実際に目の前にした時の佇まい。

これらは、どうしても画面だけではお伝えしきれません。

そのため、ご購入を決める前に、
ご自宅で3日間、実物をご覧いただける「特別鑑賞」
をご用意しています。

まずは、ご自身の目で見てください。

実際にお持ちの着物と合わせてみてください。

そのうえで、

「この帯を、これから自分が受け継いでいきたい」

そう感じていただけた時にだけ、お迎えいただければと思っています。

父は、作品を作ることに人生をかけてきました。

私は、その作品を必要としてくださる方と出会うことに、自分の時間とお金を使っていきます。

この一本が、
父の名前を知らなかった誰かの目に留まり、
その方の人生の中で実際に纏われ、
そして、その先の世代へと残っていく。

そんな未来になれば、息子としてこれ以上嬉しいことはありません。

ここまでご覧いただき、「実際の色を自分の目で見てみたい」と感じていただけましたら、ご購入を決める前に実物をご覧いただくこともできます。

ご自宅で3日間、作品をゆっくりとご覧ください。

長い文章にもかかわらず、
私と父の話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

紅型職人・金城昌太郎が人生をかけて染めた一本を、
ぜひ一度、ご自身の目でご覧ください。